Nスパイラル~「グラデーション・マジック」3学年必修授業

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2011年10月23日

色ってきれいだな!と感じながら描画するにはどうしたら良いか。菱田春草とジョージア・オキーフの作品を鑑賞し、二人に共通する「グラデーション」に着目しながら、3段階で描画の楽しさを学習します。

以前、3学年にアンケートをしたところ、美術表現で自分の課題や悩みについて、一番多かった答えが「色を上手く塗ることができない」「色の組み合わせがうまくできない」「色を塗ると絵が失敗する」といった「色」に関するものが多かった。

この悩みに直接答えられるかどうか疑問だが、理論的なもの以前に「色を美しいと思う」経験や、自分が混色した色がきれいだなあと感じる経験自体が少ないのではないか、と考えた。そこで、絵の具よりも混色がしやすく、色も鮮やかなパステルを使用し、色を楽しみながら塗り、色についての学習を深めたいと考えた。

 

鑑賞材料にしても、長野県出身の日本画家・菱田春草と、同世代のアメリカ画家・ジョージア・オキーフを比較鑑賞することで扱うことにした。両者共に、グラデーションをうまく扱いながら、構図は全く逆という表現方法をしておあり、比較しやすいと考えた。

 

第一時:春草「曙色」とオキーフ「淡いアイリス」の比較鑑賞。どこが違うか、どこが似ているか。そこから、作者の色使いを感じ取る。そして、「グラデーション」を発見し、色ってきれいだなあという感想を持つ。

 

第二時:一時間題材「写真でグラデーション」~ピンぼけ写真できれいなグラデーションを作ろう。(遊び的導入)

 色紙や身の回りの文房具などを使い、超接写によるピンぼけ写真を撮影する。カメラマンは中平。デジカメをつないだテレビ画面を見ながら生徒は「もっと右へ」「もっと左のあたりに動かしてください」「そこで撮ってください!」と注文を付けてシャッターを押す。全員撮影終了したら、テレビで写真を鑑賞する。

「色は一色だけではなく、隣り合った色によって引き立てられる。」「どの色もきれい。汚い色ってない」という感想が出てくる。

 

 

第三時~五時:「マスキングでグラデーション」(スキル習得のための題材)~マスキングテープとパステルできれいなグラデーションを作ってみよう

 前回、「グラデーションてきれいだなあ」「色ってきれいだな」と、グラデーションに興味を持った生徒が、マスキングテープとパステルを使って、黒画用紙の上に自由に描画をする。グラデーションを作るためには、一区画の中に最低二色を塗らなければならない。また、グラデーションを作るためには混色をしなければならないが、マスキングテープで区画を明確に区切ってあるので、どのようなグラデーションでも、必ず美しく仕上がる。このことは「よってみたら、思ったよりもよくできた」という感想に導く手だてである。二時間で制作後、第五時は、全員で全員の作品を鑑賞して感想を書いていく相互鑑賞を行う。作品から受ける情報などのシェアをする。

 

 

第六時~14時:「グラデーション・マジック」(主題を自分で決めて制作するまとめ題材)~イラストボードにパステルでグラデーションを作り好きなものや事柄を描画する

Nスパイラルでは、一つの大題材を三段階に分割する。「遊び的題材」「スキル習得のための題材」「主題を自分で決めて制作するまとめ題材」の三つである。グラデーション・マジックの最終題材は、自分で描きたいものや事柄などを決めて、8時間で描画するというものである。生徒の課題は、「自分で描くものを決めなくてはいけない」「グラデーションを必ず使わないといけない」ということである。描画をする上で、コピーのトレースを許可しているが、平面的なイメージは使用しないように言っている。主題を決定する際には、生徒全員と教師が一度は面接し、主題について相談をしている。そのことにより、生徒全員の主題きめ出しを協力することができ、見通しを持たせることが可能となる。

 

作品が完成したら、全員で全員の作品を相互鑑賞し、感想を書いていく。

 

この題材は、単に絵画の授業ということだけではなく、11月から始まる「卒業制作」への導入として、自分で主題を決め出すという前段階の練習題材ともいえる。

オキーフ「淡いアイリス」

春草「曙色」

写真でグラデーション 1

写真でグラデーション 2

色紙の組み合わせで色を作り出す

マスキングでグラデーション制作中

マスキングでグラデーションで制作した4枚

最終題材「グラデーションマジック」制作中。

生徒作品1

生徒作品2

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